遺族は納得していません。 通知が守られず事故が発生したこと、それが問題視されていないこと、そこに対策がないまま再発防止策が作られること。

責任のあり方

 先日県議会の答弁で、教育長より「当日引率していた教師および責任者の監督責任について早急に判断したい」と初めて処分について言及されました。
 どこまで踏み込んだ処分がなされるかはわかりませんが、厳正な処分がなされることを期待したいと思います。
 処分を期待するその思いは処罰感情から来ていることは否定できません。息子の人生を断ち切った先生方に対する怒りや処罰感情を消し去ることはできません。しかし、そういった個人的な感情を差し引いたとしても、今後の部活動の安全確認に対して緊張感を持っていただくために、厳正に処分がなされることが必要だと信じています。

2010年の雪崩事故の処分について

 2010年の講習会で発生した雪崩事故については、けが人は出なかったものの、検証委員会より「報告すべき重大事故であった」との指摘がなされています。

 しかし、実際には事故発生の事実は登山専門部内で隠蔽され、今後その事故現場周辺での講習は控えようという口頭での申し送りのみなされました。
 この件についての処分は、遺族からの質問に答える形で以下のような回答がなされています。

 まったくお咎めなしということです。8年も時間が経過してしまったので処分できない訳ではなく、「服務規程に抵触するものではない」とされています。今後同様のことがあった場合にどうするかも示されていません。

 今後の登山活動で「報告すべき重大事故」や「ヒヤリハット事象」が発生し、報告を怠ったとしても、なんのお咎めもないということを今回の回答で明言されているということです。

今後の安全対策への影響

 教育長の別の答弁では安全対策のひとつとして「ヒヤリハット事例について収集する」といわれています。素晴らしい対策だと思います。しかし、今後そのような対策を行わず、重大事故の報告を怠ったとしても何のお咎めもないのです。これではどんなに素晴らしい対策があったとしても数年で形骸化し、実効性がなくなることは容易に想像できます。

 今後の対策に実効性を持たせるために、厳正に処分を行うか、処分の基準がないのであれば部活動の安全確認を怠った際の処分規定をしっかり策定すべきであると考えます。

 そうすることによって登山活動を実施する前には「本当にこの天候、この地形、この装備で登山を実施して大丈夫なのか。」ということを責任もって判断するようなり、登山活動が終了した後には「ヒヤリハット事例を隠すことなくしっかりと報告し、今後の安全性向上に活かそう。」という意識をもてるようになるのではないでしょうか。

 加えて、登山活動を許可する登山専門部長、各学校の校長、教育委員会も漫然と許可するのではなく、「本当に安全性は大丈夫なのか」と自ら確認するような危機意識を持っていただくために、学校の部活動を管理監督する責任者に対する処分規定もしっかりと策定していただきたいと願っています。

 

 


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