遺族は納得していません。 通知が守られず事故が発生したこと、それが問題視されていないこと、そこに対策がないまま再発防止策が作られること。

追悼式についてのお知らせ

お知らせ

平成30年3月23日
遺族一同

 3月27日に実施される那須雪崩事故に欠席を選んだ理由は、以下の通り「追悼式に向けて」を県教育委員会教育⾧あて送付し、当日の式の中で代読してくださるようお願いをしました。
私たち遺族一同は、県教委主催のこの追悼式は、この世を去った8人の哀悼の念を示すために開かれているものであるとは感じられません。

 私たちは、他界した息子たちに、この1年間のことをどう報告すればよいのか分からないままこの日を迎えました。県教育⾧からの直接の説明や謝罪は未だになく、再三にわたって求めてきた平成22年の雪崩事故の当事者からの説明もありません。今回の追悼式の開催も、遺族に何も相談がなく決められています。県教委の関係者の処分も、どんな判断基準で行われたか不可解であり、内容も軽微なもので私たちが望むものと大きな違いがありました。これまでの県教委の対応の数々は、本当に事故を反省し、運営責任を明確にしてきたでしょうか。

 そのような中で開催される今回の追悼式は、他界した8人の意思を反映するものではなく、開催した事実を残すためだけに行われていると理解せざるを得ません。

 


追悼式に向けて

 今日の日にあたって、私たちは現在の自分たちの気持ちに忠実に行動しようと話し合いました。「1年という区切りに、息子が立った同じ場所に立ち、何を感じるのか確かめたい」という思いから追悼式に参加する遺族。「雪崩の起きたこの場所に足を向けることができなかった」遺族。私たちは、それぞれの思いで息子と向かい合い、粛々と1日を過ごすつもりです。

 追悼式開催については、遺族に何の相談もなく決められており、詳細については新聞で知りました。一周忌と日程がぶつかっている遺族もいます。しばしば、私たちは新聞報道などから県の取り組みや意向を知ることがあります。なぜ、まず遺族に連絡するという大切なプロセスを省いてしまうのでしょうか。子どもが雪崩に巻き込まれたという第一報も、私たちは報道から知りました。

 平成29年3月28日の学校説明会の翌日、私たちは、平成22年3月27日の春山安全登山研修会で、生徒・教員が雪崩に巻き込まれていたことを当時講習会に参加していた生徒の保護者から知りました。学校説明会で説明してくださった先生方は、平成22年の専門委員⾧で、講師としても参加していたのですから、当時の雪崩事故のことを忘れるはずがありません。しかし、私たちにこの事故の事実を伏せ、私たちからの調査の要望があるまでこの事故についての調査は行われませんでした。

 平成29年6月30日に発表された検証委員会による中間報告書では、私たちが把握している事実と一部大きく違った記載があったため、再調査の要望を口頭でしましたが県教委は調査を行わず、再度、文書で要望をしました。

 平成29年10月に最終報告が提出されて提言がなされてから半年近く経ちますが、具体的な再発防止策はどのように進んでいるのでしょうか。これらのことは、県教委や高体連の対応のほんの一部にすぎません。当たり前のことを当たり前にしてくださらない県教委の対応に、ますます不信感が募るばかりです。

 最後に、1年前のあの日、厳しい状況の中で救助に携わってくださった多くの皆様方の心ある行動に心より感謝申し上げます。失ってしまった息子への思いと、あの日から必死で生きてきた今日までの思いは遺族一同、共にあります。

平成30年3月27日
遺族一同

 

■ファイル
追悼式に向けて


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