遺族は納得していません。 通知が守られず事故が発生したこと、それが問題視されていないこと、そこに対策がないまま再発防止策が作られること。

もう決して元には戻らない。

正直この一年は色々あったけれど、一言で言うと、とにかく「疲れた」というのが本音です。事故から一年、ゆっくり息子と穏やかに過ごす時間すらないというこの状況は何なのか?私達は一体何をしているのか?と疑問に思いながらの日々でした。

今まで生きてきた中で、「先生」「教育者」と呼ばれる沢山の方達と関わる事がありました。うちの息子も沢山の先生方にお世話になり、可愛がって頂きました。お世話になった先生方のことは、この先決して感謝を忘れることなく、ずっと大好きな先生である事には変わりありません。

今回の事故で私達も現場の先生方も何をどうしたらいいのか本当に分からなかった。初めて会う沢山の人。お互いどういう人だろうと手探り状態で何を話したら、これからどうしたらいいんだろうという状況でした。

私達も、先生方も部活動中での「死亡事故」が起きたという現実をすぐには受け入れることなど出来なかったと思います。当然、説明会や話し合いの場でもお互いに話が上手く進むはずもなく、食い違いや不満、長時間の話し合いの割には先には進めないという状況になりました。すでに十分過ぎるほど、皆傷ついているのに対応の遅さ、準備不足、疲労、精神的ダメージ、怒りなど人間の様々な感情も入り交ざってとても冷静な話し合いの場を持つことは出来ませんでした。

そして今現在思うこと。教育の組織には文部省、教育委員会、各専門部、体育連盟など学校の現場とは別に色んな部署があります。優秀な教育者の方が沢山いた中で混乱している当事者に早急に指示を出し、対策を考え、遺族や被害者への対応がもっとスムーズに出来たのではないかという事です。

このホームページには事故発生時から現在に至るまでの経緯を書かせていただいています。私達は決して先生方と争いたい訳ではありませんし、先生方も同じ思いであると思います。教育関係者の方々も口々に「今回の事故の責任を果たす」とおっしゃっておられます。今回の事故当事者にはとても有難いお言葉です。しかし既に事故から一年が経過し、お互い納得のいく話し合いや、対策も出来ていないのが現状です。

是非とも皆様でしっかり連携をとって頂き、今までの経験や、知識、沢山の優秀な先生方のお力を発揮していただきたいと思います。早急に対策を立て、事前準備をしっかりして頂き、皆が無理のない学校生活を送れるように取り組んで頂きたいと思います。

今回の事故で私達の息子達は命を落としました。いくら望んでも彼らに触ることも、声を聞くことも、会うことも出来ません。息子達も私達の生活も決して元に戻ることはありません。その事をしっかり心において日々自分のやるべき仕事をしっかりやって頂きたいのです。子供達と先生方がさらに充実した学校生活を送れるようにと心から願います。

学生時代の先生方との出会いは子供達の人生に大きな影響を与えます。これからの学校教育を変えることが出来るのは教育関係者であり、私達一保護者は実際には話は出来ても、制度を変えたり、方針を変えたり、罰則や校則を変えたりする決定権はありません。是非とも現状よりも、いい方向に変えていっていただきたいと思います。

この一年本当に沢山の方々にお会いし、お世話になり、助けて頂きました。自分自身も子供も高校生になり、もうこれからは親同士の付き合いや新しい出会いはそんなには無いであろうと思っていました。実際にはマスコミの方や警察関係者、レスキュー、那須、大田原等の地元の方々、学校の先生、各専門家の方々、遺族や被害者の家族、大田原高校のOBの方々、沢山の子供達等、本当に沢山の人達と関わることになりびっくりです。そして皆様にはこれからもお世話になるのであろうと思います。

長文で自分でも上手く文章がまとめられませんが、お世話になった皆様、本当に有難う御座いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


コメント

  1. YAMAIKE より:

    登山愛好者です。

    この事故は、本当に痛ましくてやりきれなくて、発生当初からニュースがないときでもネットで「栃木 雪崩事故」で検索して情報を探してきました。
    それは、事故の詳細が知りたかったのと同時に、引率教諭らにしっかり責任を取らせるべきだと考えたからです。

    ここ数年はソロで登ることが増えましたが、かつてはよくグループで登っていました。
    たとえば、みんなで並んで歩いているとき、『暑いから1枚脱ぎたい』といったような場合、止まりたいなと思っても、そのときの状況や、メンバーの空気を読んで何も言わずにそのまま歩き続けてしまうことがあります。

    ましてや、先生に引率された高校生が、「天候が悪いから行きたくない」「雪崩が怖いから行きたくない」と思っても、先生が「ラッセル訓練をします」と言われたら素直に従うでしょう。
    それだけに、引率者の方の責任は重いのです。

    引率責任者の方をはじめ、県教育委員会、高校体育連盟の方々など、今まできっと覚悟をもって真剣に山と向き合ってこなかったのでしょう。
    だから、ご遺族の皆様とも、覚悟をもって真剣に向き合うことができないのです。

    ラッセル訓練のずさんな計画、運営、そして事故後の対応、記者会見での言動、責任の取り方・取らせ方、ご遺族の要望への対応、追悼式の進め方、遡って8年前の雪崩事故後の対応からはじまり、すべてに覚悟も真剣味も感じられません。
    未来ある若者の命を何だと思っているのでしょうか。

    最後になりますが、数年前、夏山ですが那須岳(茶臼岳)を一人で縦走したことがあります。
    高山らしい荒々しさと、東北の山らしい女性的なやさしい山容をあわせもつ、本当に美しい魅力的な山々でした。
    那須岳は大好きな山のひとつです。

    次に登るときには、必ず、心を込めて祈りをささげてきたいと思っています。

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