「漫然と場当たり的」と検証委員会で評された通りの組織で、事故後もなんら変わることもなく、自分たちのどこが悪いかすら未だ理解していないままのようです。
登山実施の根拠
栃木県下の高校山岳部では、今年度は春山と夏山の登山を実施するようです。
なので、「どんな再発防止策を根拠に登山活動を実施するのか」、「検証委員会の提言にあった再発防止策を評価する「連絡協議会」なるものはいつ設立されるのか」を問い合わせました。
するとその「連絡協議会」は再発防止策の実施状況を確認するための会であって、再発防止策そのものを評価するものではなく、9月まで設立されないとの回答でした。年初に受けた説明では、「連絡協議会」は再発防止策を評価するための組織で、期が変わるとすぐに設置されると聞いていたのですが、話が違います。
一体誰が承認したのか?
回答では何を根拠に登山を実施するのさえ明確にされていませんが、きっと3月22日に各県立高校長宛に出された通知を根拠に実施されるのでしょう。
しかし、その通知の内容は、「作成方針」も、「誰が作成した」のかも、「誰の意見を聞いた」のかも、「誰が承認した」のかも、「誰が誰に対して説明した」のかも、一切公表されていません。
事実、この通知の内容すら報道の方々には明らかにはされていないようで、通知を出した事実のみが知らされたようです。内容も「留意事項(案)」となっており、まだ完全ではないことを自ら認めているようです。
通知の内容
3月22日に各高校長宛に出された通知
通知の内容そのものを非難している訳ではありません。きっと教育委員会のどなたかが一生懸命考えて作られたのでしょう。私には判断できませんが、もしかしたら高校生が登山を実施するために十分な留意事項が述べられているのかもしれません。
繰り返しになりますが、「作成方針」も、「誰が作成した」のかも、「誰の意見を聞いた」のかも、「誰が承認した」のかも、「誰が誰に対して説明した」のかも、一切明かされていないことが問題だと思います。
なぜこんな重要なものが、密室で誰の意見も聞くこともなく作成されてしまうのでしょうか?そのような体質こそが事故を引き起こしたのだと検証委員会でも指摘されていたと記憶しています。
栃木県教育委員会に問いたい
どうして作成方針と、過程と、その結果を公表しなくても良いと考えられるのでしょうか?
その自信と根拠は一体どこから来るのでしょうか?
これだけの事故を引き起こした栃木県教育委員会が、誰の意見も聞かず、自分たちだけで作成した再発防止策を、誰の評価も受けずに良しとするその神経がわかりません。
「連絡協議会」なるものが事後の評価をする組織だということであればそれはそれでいいのかもしれません。しかし、事前の評価は当然必要で、やらなくていい理由はありません。密室で作成された再発防止策を、外部の批判に晒すことなくコッソリと登山活動を実施し、それを既成事実化してしまう栃木県教育委員会のやり口には呆れてしまいます。
漫然と場当たり的
自分たちは県下の学校を評価する立場であり、自分たちが誰かに評価されることなどないという高慢な考えが垣間見られるような気がします。「連絡協議会」の設立を遅らせたのも自分たちが作った再発防止策を評価させないためで、栃木県教育委員会ではなくその再発防止策に則って登山を実施した各学校を評価してくださいという逃げ口のように感じられます。
栃木県教育委員会は相変わらず「漫然と場当たり的」な組織で、高慢で世間の常識とはかけ離れたままの何も変わっていない組織であると感じます。
問い合わせの回答
以下、「連絡協議会」について問い合わせた栃木県教育委委員会からの回答の抜粋です。
お尋ねの連絡協議会ですが、開催時期を9月に予定しています。
年2回の1回目です。
(中略)
以前、御説明を差し上げました頃は、昨年度内に連絡協議会を設置して、一度委員の顔合わせをしようという計画でしたが、再発防止に向けた事業がまだなされていない状況で顔合わせだけしても意味がないとの意見もあり、このような変更になりました。
(後略)
なぜこんなお気楽なことが言えるのでしょうか?
また、先日要望した再発防止策の進捗に関する遺族向けの説明会は、この「協議会」で代替されるとの回答でした。私たちが聞きたいのは結果だけではなく、どのような考えと決意を持って再発防止に取り組むかです。「協議会」の役割が事後の評価だけなのであれば代替にはなりません。説明会の開催も再度要望していきたいと思います。
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