遺族は納得していません。 通知が守られず事故が発生したこと、それが問題視されていないこと、そこに対策がないまま再発防止策が作られること。

登山専門部の海外登山 山岳部は先生のための部活動

なんのための海外登山なのか

1990年のムズターグ峰登頂、1995年のニンチンカンサ峰登頂については記録が本としてまとめられているので、入手し内容を確認いたしました。この海外登山の記録を確認してみると、教員らの趣味の幅を広げるために部活動がただ利用されているだけのように見えます。
「感動を味わいたい」「夢をもってあきらめなければ必ず実現する」「少しずつ消えかけていた夢が、皆の応援のおかげで今ここに実現する」、登山の記録を見ると参加された顧問教諭からは自分の夢を実現すること、実現できたことの思いが述べられています。登山の目的はいったい何だったのでしょうか。

慢心が事故を引き起こしたのでは

海外登山の本来の目的は顧問の力量を上げるためと言ってはいますが、顧問教諭らは海外登山に参加して根拠のない自信をつけただけで終わったのではないでしょうか。自分たち登山専門部は、ヒマラヤ登山もこなすようなすごい登山家の集まりなんだ、高校生の登山の引率なんて簡単にできるんだと。その慢心が事故を引き起こす要因になってしまったのではないでしょうか。

事実、このような海外登山を積極的に実施した栃木県でこそ那須雪崩事故のような重大事故が発生し、海外登山を実施していない他県ではこのような重大事故は発生していません。また、事故を引き起こした講習会の1班の講師であった菅又教諭は、この海外登山に少なくとも2回参加しています。これらの海外登山が本当に顧問の力量を上げるためであったならば、このような事故を引き起こすことはなかったはずです。

「なぜ雪崩が発生した危険な斜面に足を踏み入れることができたのか」という問いかけに菅又教諭は次のように答えました。
「過去の海外登山などで、今回事故に遭った斜面より急角度の斜面や新雪の斜面でも雪崩に遭遇したことがなかった。だから雪崩の発生はないだろうと考えた。」と。
この答えから考えると、むしろこの海外登山に参加していなければ適切な判断をすることができ、危険な斜面に足を踏み入れることはなかったのではないかとの思いが湧いてきます。もしかするとこれらの海外登山がなければ那須雪崩事故が発生することもなかったのかもしれません。


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