遺族は納得していません。 通知が守られず事故が発生したこと、それが問題視されていないこと、そこに対策がないまま再発防止策が作られること。

熱中症で生徒が死んでも驚きません

苦情を申し立てました

その後開催された部活動の保護者会で、顧問教員に対して苦情を申し立てました。

部活動で息子を失った親の立場として、熱中症対策がなされていないこと、倒れた生徒がいても練習試合が続行されたことは問題であると訴え、対策してほしいと要望しました。また、日頃から遠方への遠征が多く、何かあってもすぐに駆け付けられない距離なので心配であり、遠征を控えて欲しいとも訴えました。

顧問教員は、ただ話を聞くだけで、謝るでも対策を約束するわけでもなく、私からの苦情を聞くと困ったような顔をして所用があるとかで足早にその場を去っていきました。

顧問教員の中に、何かを変え、対策を講じようという気持ちはなく、ただうるさいことを言うクレーマーとして扱われたように思えました。

自衛の策

顧問教員のその態度から、今後の対応には期待が持てず、自衛の策を講ずるしかないと考えました。

熱中症計を購入し、息子のバッグにつけました。運動を原則中止すべき気象条件となった場合にはブザーが鳴るように設定し、ブザーが鳴った場合には顧問がなんと言おうと自主的に運動を中止するよう息子に言い聞かせました。
遠征も県外だったり、意義が感じられないものは行かなくてもよいと言って欠席させ、参加する回数も減らしました。

また、栃木県教育委員会にも機会があるごとにこのような事態があったことを訴え、熱中症対策を要望しました。教育長にも何度か直接この件についてお話しいたしました。直接その顧問教員に注意するとかではなく、そのような事態を防ぐ対策を教育委員会として実施し、その結果その顧問教員の安全意識も変わってくれることを願っていました。
教育委員会の担当者は「そんなことがあったのですか。信じられない事態です。」と言ってはくれましたが、具体的な対応は何もなく、その後に目に見える効果は何も感じることはありませんでした。

結果、部活動の遠征の回数が減ったわけでもなく、熱中症対策もなにも変わることはありませんでした。その後の部活動中に熱中症計のブザーは何度か鳴ってしまったようですが、そのような環境でも部活動は構わず続けられたようです。
そうしてなにも変わることなく次の年を迎えました。そしてまた、同じ日に同じ場所で6校合同の練習試合が実施されると案内が来ました。その日はやはり30℃以上の気温が予想されていました。

自衛の策としてその遠征は欠席するしかありませんでした。

何も変わらない

その日の練習試合を実施した場所の近郊の気温の記録です。

その日は最高気温36.2℃を記録しています。体育館の中は一体どのくらいの温度になっていたのでしょうか。このような環境の中、一日中冷房もない体育館の中で練習試合を続けてしまうことが信じられません。

それでも幸いなことに息子の学校からは前年のように熱中症で倒れる生徒は出なかったそうです。
水分補給や休憩を十分とるなどの対策はなされていたのかもしれませんが、倒れる生徒が出なかったのは単に運が良かったからに他なりません。もう1~2℃気温が上がっていたとしたら、湿度がもう少し高かったとしたら、元々体調の悪い子がいたとしたら、もう少しの悪条件が揃っただけで大変な事態になっていたのかもしれません。

那須雪崩事故もこのような状況の中発生いたしました。
登山専門部とそこに所属する顧問教員らの慣れと慢心によって、何年も前から大事故がいつ起きてもおかしくない状況でした。そういった状況の中、季節外れの大雪が降り、那須雪崩事故は発生してしまいました。大雪が降ったという悪条件が揃ってしまったのは不運というべきかもしれませんが、事故が発生してしまったのは必然であり、驚くに値しないような状況でした。

熱中症対策も同様の状況です。
現状、死者が出ていないのは、単に今まで運が良かったからです。状況を見ると、那須雪崩事故が起きる前と同じような大事故がいつ起きてもおかしくない状況であり、今後死者が出るような事態に陥るのは必然だと思われます。

部活動で息子を亡くした私のような立場の人間の言葉にも耳を貸すこともなく、この部活動の顧問教員は次の年にもなんら安全に対する対策を講ずることなく部活動を続けています。生徒の命と安全は軽視され続けています。

このような教員を一体どのようにして止めたらよいのでしょうか。
部活動に熱心で、熱血指導をする先生は教育界での評判も良く、発言力も大きいのでしょう。しかし、そういった教員に限って生徒の安全に対する考えは希薄で、なぜだか独りよがりな根拠のない自信を身にまとっています。那須雪崩事故と状況は酷似しているように思えます。

凄惨な大事故が発生する前に、実効性のある対策が講じられ、顧問教員の意識が変わってくれることを願います。これ以上、教育委員会の無策と教員の無謀さによって若い命が失われる状況を見たくはありません。


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