遺族は納得していません。 通知が守られず事故が発生したこと、それが問題視されていないこと、そこに対策がないまま再発防止策が作られること。

バカの連鎖をとめてください

冬山への登山

栃木県では那須雪崩事故が発生する以前、スポーツ庁が原則禁止としている高校生の冬山登山を禁じてはいませんでした。

ある機会に、栃木県では一体なにを根拠として原則禁止となっている冬山登山を実施していたのかと栃木県高体連登山専門部に所属している教員に訊きました。その教員の答えは以下のようなものでした。

「顧問教員に対する冬山の講習を実施して技術を引き継いできた。そのことを根拠として栃木県の高校生の冬山登山を実施してきた。」
「教員を対象とした国立登山研修所の研修は2000年代前半で途絶えていた。しかし、その講習を受けた教員が、新任の顧問教員へ冬山登山の技術を教え、伝えてきた。」  

自分たちは間違ったことはしてこなかった、そのような自信を感じさせるような物言いでした。

確かに、毎年12月末の冬山に新任顧問教員を集め、冬山登山の講習を行ってきたような形跡は確認できました。しかし、その講習会には大田原高校の生徒や真岡高校の生徒も同行しており、講習とは名ばかりのただの冬山登山だったと思われます。

また、その講習内容は、雪崩の危険を教えるなどのことはなく、雪上の歩行などの技術を教えるだけだったようです。安全対策を教えることなく、雪山を楽しむための登山技術のみ伝承するようなそのような講習であったとしか思えません。まさにバカがバカを生むバカの連鎖の典型です。しかし、その物言いからはそれが間違いであることすら認識できていないようでした。  

また、登山専門部が実施してきた海外登山もその連鎖を生み出した元凶の一つであったと思えます。

ロクに安全対策も教育しないまま、登頂のための技術だけを磨き、子供たちそっちのけで海外の山にチャレンジし、自分たちはすごい登山家だと独りよがりの自信を与え、長年バカな登山者を量産してきたのでしょう。


コメント

  1. 井川治 より:

    バカの連鎖をとめてください 」大いに共感します。猪瀬氏は、公認スポーツ指導者資格の何を取得していたのでしょうか?
    その講習内容は、雪崩の危険を教えるなどのことはなく、雪上の歩行などの技術を教えるだけだったようです。」ということは、安全管理ができていたのか、低体温の知識はあったのか、どのていどあったのか?事故のニュースを聞いた時、積雪が1晩で30cmあったならゲレンデでのワカンやアイゼン歩行、すそ野の斜面でピッケル操作など基本訓練に変更しなかったのか?疑問に感じました。結論は、雪山での基本知識がなかったようですね。

    • AAA より:

      猪瀬教諭の会見での発言が本心からのものであれば、「あ、この人何もわかってないな。」ってのが私の感想でした。
      でも、那須であそこまで登って雪崩に遭ったのは猪瀬教諭の指示ではないでしょうし、彼に責任はないと思いますよ(もちろん立場上、広義の意味での責任はあると思いますが)。

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