今日は息子の誕生日です。19歳になります。生前と変わらず、ケーキを買ってお祝いします。
事故からは2年余り経ちます。息子がいることが当たり前だった暮らしから、息子がいないことが当たり前の暮らしになりつつあります。寂しさや喪失感は変わることなくありますが、息子は別の地域の大学に行って家を出たのだと思うことにしました。そうでも思わないと寂しさと悲しさに押しつぶされてしまいます。
どこに行ったかもわかりませんが、もし東京の大学に行ったとしたら、東京オリンピックの観戦時に息子のところに泊まればいいので宿泊場所は考えなくていいね、と生前家族で話していました。開催時、息子は二十歳で大学生になっていたはずです。
どこの大学に行くのか、志望先をまだ決めていなかったので、高校卒業から先の想像ができません。生き物が好きで、生物系や水産系の学科のある大学の案内を取り寄せていたのでそういった関連の大学に行っていたのかもしれません。
アノマノカリス お気に入りの生き物
息子は太古の生物が好きで、特にカンブリア紀の生き物であるアノマノカリスがお気に入りでした。親の私から見ても変わっています。
子供の頃に見たTV番組で、古代生物に興味を持ったようです。その番組ではアノマノカリスの泳ぎ方を研究するためにロボットが作製され、実際にプールで泳がせる様子が映し出されていました。そのロボットが泳ぐ様子がユーモラスで、強く印象に残ったようで、その様子を見て「アノマノカリス、アノマノカリス」と楽しそうに言っていました。まだ息子が保育園に通っていたころかと記憶しています。
以下の映像でそのロボットが泳ぐ様子を確認することができます。
こんな生き物、学校で習った記憶もないなあと思い調べてみるとアノマノカリスは1980年代中盤以降に研究が進んだ生物で、私が学生の頃の教科書には登場していなかったようです。大人から見ればただの気色の悪い生き物なのですが、私が知らないことに興味を持って喜んでいる姿を見て息子の成長を感じ取れ、うれしく思ったことを覚えています。
大学に行ってたとしたら、こういった太古の生物を研究していたかもしれません。しかし、いくらそうした想像を膨らませてみても、夢も希望もこの先の続きがなく、悲しく辛い現実を突きつけられます。
お気に入りのぬいぐるみ
どこかの水族館か博物館に行った際にそこのお土産屋で見つけたアノマノカリスのぬいぐるみを買ってあげました。ぬいぐるみになっているくらいですからアノマノカリスを気に入った変わり者は息子だけではなかったようです。
息子はそのぬいぐるみを気に入ってくれていつも傍らに置いて就寝していました。
小学生か保育園の頃からそのままずっと置き続けられ、高校生になっても息子のベッドの上にはアノマノカリスのぬいぐるみが置いてありました。
そのぬいぐるみは私たちにとって息子を思い起こすことのできる大切な思い出の品でしたが、もしかしたらこのぬいぐるみがないと安心して眠れないかもしれない、そう思い私たちはそのぬいぐるみを棺の中に収め、息子と一緒に旅立たせました。
思い出の品がなく寂しく思っていましたが、先日、同じぬいぐるみを見つけ、再び購入いたしました。
これで息子が帰省した際にも安心して眠れると思います。
コメント
息子さんの お誕生日おめでとうございます
○○君も 今年で19才だね
うちの △△も もう少しで19才になるよ
今年から 専門学校に行って 工業系の勉強を始めたの
○○君は 念願だったお医者さんに成る為に 元気だったら きっと んんん絶対医大に入学してたのに違い無いのに そう思うと今でも 悲しみと悔しさで涙が溢れる 時は流れても 後戻りはきかない
あの時の判断さえ間違えて居なかったら 8人もの 夢を必ず叶える事が出来たはず
友達の親でさえこんなに苦しい思いで居るのに ご遺族様のお気持ちは癒える事は無い事でしょう
でも 私どもの心の中に ○○君を始め 皆生き続けて居ます 夢を叶えて居ます
また お会いしましょうね