遺族は納得していません。 通知が守られず事故が発生したこと、それが問題視されていないこと、そこに対策がないまま再発防止策が作られること。

那須雪崩事故はなぜ防げなかったのか

なぜ雪崩事故は防げなかったのか。この疑問に、指導者13名の回答をもとに、遺族が答えを出しました。

何も語り継ごうとしない指導者達、検証を進めない登山専門部に業を煮やして。

 

報道

調査結果から伝えたいこと

今回の事故が、自然発生であれ、雪崩の危険のある狭い斜面に漫然と多人数が進入したことで誘発されたものであれ、雪崩を回避し、生徒と教員の命を守ることができなかったのは、指導者や運営責任者が雪崩危険斜面を登る判断をしたことにあります。

多くの客観的な情報が、斜面の危険性を示唆していました。県教委の昭和41年の通知「冬山登山の事故防止について」に書かれているように、降雪中とその翌日は活動を中止するということが守られ、活動中止が判断されていれば、事故は回避できました。

また、この事故の7年前に同じ那須岳で同じ春山安全登山講習会で同じような人為的な表層雪崩を起こしている事実を、登山専門部の組織が、またそのときの指導者が真摯に受け止め、どうすれば事故を回避できたのかを検証し報告をしていれば、 今回の雪崩事故は防げたと考えています。

この講習の役員や指導者は自らの経験と蓄積を基に、情報や事象を的確に見抜き、安全確保に必要な注意と配慮を怠らなければ、事故の回避はできたと考えています。

本件事故は自然の脅威がもたらす避けられない自然災害の事故ではありません。

雪山や積雪の危険性についてある程度の理解を持っていた運営役員や講師が、客観的な情報をもとに適切に判断 していれば、また昭和41年の教育長通知を遵守し、慎重な判断をしていれば、 十分回避可能な事故であったと考えています。

那須雪崩事故は関係者による人災です。

2019年9月27日 下野新聞朝刊

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