遺族は納得していません。 通知が守られず事故が発生したこと、それが問題視されていないこと、そこに対策がないまま再発防止策が作られること。

高校に山岳部は必要なのか?

山岳部の特殊性

山岳部の活動は特殊であるとする理由はいくつか挙げられます。
以下に3つ挙げさせていただきます。

安全性が顧問教員の技量に委ねられている

現状の山岳部の安全性は、顧問教員の技量に委ねられています。登山の安全性に関する知識をもち、安全意識が高く経験豊富な顧問教員が引率した場合には安全性は高まりますが、知識もなく安全意識の低い顧問教員であった場合には危険な行動をしでかし、安全性は低下してしまいます。

顧問教員の技量によって安全性が変わる部活動なんて、学校管理下の活動としてはおかしいものです。

力量が高い顧問が他校に転出し、経験のない教員が顧問となったために安全性が低下し、事故が発生してしまったなんてことはあってはならないことです。
強豪校の指導力のある顧問教員が他校に転出し、その学校の野球やサッカーなどのチームが弱体化してしまったとかの話は他の部活動でよく聞く話ですが、そういった話とはレベルが異なります。

また、那須雪崩事故を起こした教員らは、30年近い登山経験があり、教員としてはかなりの技量があるように思えます。それでもこのような事故を引き起こしているのですから、登山の専門家ではない教員が登山を引率すること自体に無理があるように思えます。

栃木県教育委員会の再発防止策では、顧問教員に登山に関する研修を受けさせ、安全性を高める対策が打ち出されています。それはそれで結構なことではありますが、一介の教員がどこまで知識や経験を高めることができるのか、本職の教育をそっちのけで登山の技術を高める必然性があるのか疑問が残ります。

外部の目が届かない

山岳部の活動は、山に登ることであり、学校外の活動がほとんどです。
当然ですが、保護者の目が届くことはありません。言われなければどんな危険な場所に行ったのかもわかりません。事故に遭ったとしても、教員の腹積もりによってその事故を隠ぺいすることだって可能です。

事実、那須雪崩事故の7年前に発生した雪崩事故は、教員らの判断によってかん口令が敷かれ、事故は隠ぺいされてしまいました。そして、那須雪崩事故は、30cmを超える積雪がある中、雪中歩行訓練が実施され、危険な斜面に足を踏み入れて事故は発生しました。こんな異常な天候の中、私は訓練が実施されているなんて夢にも思っていませんでした。

これらの事実は、山岳部の活動が外部の目が届かない中で実施されているため、顧問教員らが好き勝手なことをできたため起こってしまったのだと思います。

救護の手が届かない

何か事故があっても助けに行ったり救急車をすぐに寄こしたりできない点も特殊です。
他の部活動であってもケガや熱中症、突然の心肺停止になったりすることもあるかと思いますが、校内の救護教諭やAEDによる処置が可能であったり、救急車を呼ぶこともでき、迅速に対応することができます。

那須雪崩事故では雪崩に埋まった息子たちが掘り出されたのは、事故後数時間経った後でした。
また、他県ではありますが今年の8月に学校行事で富士山に登山していた高校教員が休憩中に意識を失い、死亡した事故がありました。意識を失った原因は定かではありませんが、山で起きた事故でなければ迅速に救助でき、救命できた可能性があったのではないでしょうか。


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