遺族は納得していません。 通知が守られず事故が発生したこと、それが問題視されていないこと、そこに対策がないまま再発防止策が作られること。

とちぎモデル

高校山岳部の特殊性と問題

山岳部は他の学校の活動とは異なる

高校山岳部の活動は他の学校の活動とは異なります。
まず、そのことを認識し、認めなければいけません。

他の部活動では安全性は教員の力量によりません。力量の高い顧問教員が他の学校に転任したとしても安全性が大きく変わることはありません。
そして保護者や他の教員の目の届く校内や体育館で実施されます。教員が危険な行動をしようとしても監視の目があります。そういった場所で実施されますので、万一の事故やケガがあったとしても迅速な救護が可能です。

それに対して山岳部の活動では安全性は教員の力量によるところが大きいです。力量があり、安全意識の高い顧問教員が他校に転任し、登山経験のない教員が新任顧問として就任することによって安全性が大きく低下することが十分あり得ます。
そして保護者や他の教員の目の届かない山域が主な活動場所です。顧問教員が無謀な行動や危険な行動をしたとしても他の大人の目に触れることはありません。事故に遭ったとしても隠ぺいすることすら可能です。そのような場所で実施する活動ですので、万一の事故やケガが発生したとしても迅速な救助は期待できません。

登山活動としても異質で問題が多い

また、山岳部の活動は登山活動として見ても異質で問題が多いものです。

参加者の大半が高校生であり、登山歴0~2年半の初級者です。
そしてそれを引率しているのはアマチュアの教員です。
また、「せっかくたくさんの生徒が集まったのだから」とか、「今日の登山で3年生は引退なのだから」などの理由で多少の悪天候や無理な日程であっても学校行事として登山を強行しがちです。
さらにインターハイや関東大会といった登山競技の大会があり、どうしても競技性を求めてしまいます。他校に負けるものかという競争意識が芽生えがちです。

そして、那須雪崩事故からの教訓もあります。

事故は登山歴30年を超えるベテランと呼ばれる教員によって引き起こされました。この事実はいくら経験を積んでもただのアマチュアである教員が生徒らを安全に登山で引率することは無理であることを示していると思います。

また、事故が遭った登山専門部が主催する講習会は、登山計画の審査を長年免れていました。
そして過去に遭った那須雪崩事故と同様の雪崩事故は登山専門部の教員らによって隠ぺいされました。このように登山専門部が隠ぺい体質であることも問題です。

そしてこの講習会を主催した高体連、講習会に部活動として参加した主体である大田原高校、いずれの責任者も事故の直後に定年退職し、何ら責任をとっていません。
このように責任も取れない団体が危険性の高い登山活動を主催することも問題であると言えます。


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