今日は6月27日。
あなたが生まれて、ちょうど25年になります。
25回目の誕生日、おめでとう。
四半世紀という節目の年を、あなたにこうして語りかけることになるなんて、思ってもいませんでした。
生まれてきてくれて、本当にありがとう。
あなたがいてくれた日々は、私たち家族にとって何にも代えがたい、かけがえのない幸せな時間でした。
笑顔も、泣き顔も、ふとした仕草も、どれも大切な思い出として、今も胸の中に生き続けています。
あの那須雪崩事故から、8年と3か月が過ぎました。
あなたがこの世からいなくなってしまった時間は、もうあなたの人生の3分の1もの期間になりました。
今でもふと、「あれはただの悪い夢だったのではないか」「いつかひょっこり帰ってくるのではないか」と思ってしまう瞬間があります。
もし帰ってきたら、まず何から話そうか……この8年で起きた家族の変化、街の様子、そして何より、あなたがいなかった寂しさを。そんなふうに想像しては、現実に引き戻され、深く沈んでしまいます。
夢の中で成長したあなたに会うことがあります。がっしりとした体格で、立派に見えるけれど、どんな暮らしをしているのかは想像できません。
でも、生きていればきっと、自分の道を見つけて、優しさを持ったあなたらしい人生を歩んでいたんだろうと思っています。
あなたと過ごした日々は、私の人生の中で最も幸せな時間でした。
家族を持ち、子を育て、日々の忙しさの中で喜びや責任を感じながら生きることが、「幸せ」だと気づかせてくれたのは、あなたのおかげです。
「いつか年老いて人生を終えるとき、きっと『いい人生だった』と思えるだろう」――私はそう信じていました。あの日が来るまでは。
子を失うということは、人生の軸が根こそぎ崩れるようなことです。
どれだけ月日が経っても、喪失の痛みが癒えることはありません。
たとえ笑顔を取り戻す日があっても、きっと最期には「辛い人生だった」と感じてしまう――それほどに、あなたがいないという現実は、重く、深く、心にのしかかります。
それでも私は、あなたが生まれてきてくれたことに、心から感謝しています。
あなたと過ごした日々が、どれほど私の人生を豊かにしてくれたか、言葉では言い尽くせません。
あなたは今も、そしてこれからも、ずっと私たちの息子です。
25歳の誕生日、おめでとう。
そして、ありがとう。



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