遺族は納得していません。 通知が守られず事故が発生したこと、それが問題視されていないこと、そこに対策がないまま再発防止策が作られること。

刑事裁判の最新動向(裁判継続中)

刑事裁判を巡る動き
  • 2017.3.27
    那須雪崩事故発生
    栃木県高校体育連盟主催の春山安全登山講習会の雪上歩行訓練中に雪崩に襲われ、8人が亡くなり、40人が重軽傷者の被害の大事故が発生。
    この講習会は那須町の町営スキー場周辺で実施されており、栃木県内7つの高校の山岳部が参加していた。
  • 2019.3.8
    3教諭を書類送検
    栃木県警は、業務上過失致死傷の疑いで、講習責任者ら男性教諭3人を書類送検した。新たな積雪で雪崩の危険が高まっていたにもかかわらず、雪上歩行訓練の中止や行動範囲の限定などの措置を講じず、漫然と実施を決めた3人の判断に過失があり、事故につながったと判断した。
    報道
  • 2022.2.10
    3教諭を在宅起訴
    宇都宮地検は業務上過失致死傷罪で講習会の責任者だった男性教諭ら3人を在宅起訴した。3人が気象状況や地形の確認を怠り、漫然と雪上訓練を実施したことが事故につながったと判断した。
    報道 動画

    遺族

    事故から5年もの間待ちわびた結果でした。
    雪崩事故と聞くと「仕方のない自然災害だ」と思ってしまう人が多い中、那須雪崩事故は人災だったと言ってもらえたような気がしました。

  • 2022.10.25
    第1回公判
    検察側の冒頭陳述と被告側の罪状認否が行われた。
     検察側冒頭陳述 
    現場は急斜面で新たな積雪があり、登山経験が豊富な3人が、前日から出されていた雪崩注意報など必要な情報収集を行なえば、雪崩発生の一般的条件を満たしていると容易にわかったと主張。被告らは地形や当時の気象条件などについて情報収集をせず、生徒らの安全確保を怠ったと指摘した。
     被告側罪状認否 
    雪崩発生は予想できなかったと起訴内容を否認し、無罪を主張。
    報道 動画 動画

    遺族

    被告の3教諭は、罪状認否で謝罪の言葉を述べた直後に無罪を主張しました。自らの非を認めない謝罪に何の意味もなく、遺族を挑発する言葉としか思えませんでした。
    この態度には血が沸き立つほどの怒りを感じました。

  • 2022.12.20
    第2回公判
    被告側の冒頭陳述が行われた。
     被告側冒頭陳述 
    弁護側は冒頭陳述で「雪崩による死傷事故を防止する注意義務は怠っておらず、予見可能性は存在しない」と3教諭の過失を否定した。
    「積雪は15センチ程度で、大量という認識ではなく、雪崩が発生しやすい状況とは把握していなかった。」「事故は生徒が菅又被告の指示に従わず、引率教員が生徒を制止しなかったために現実化した。」などと検察側の主張に反論した。
    報道 動画

    遺族

    3教諭は、安全な訓練範囲を設定せず、安全確認をすることもなく生徒らの先に進みたいとの要望を許可しました。3教諭の指示に従った結果、危険な斜面に連れていかれて事故に遭ったのです。息子たちは指示に従わなかった訳ではありません。
    亡くなった息子たちに事故の責任をなすり付ける間違った主張を許すことはできません。

  • 2023.3.14
    第3回公判
    検察側の証人尋問が行われた。
     検察側証人尋問 
    雪崩教育の専門家として、NPO法人「日本雪崩ネットワーク」理事の出川あずさ氏が出廷。
    予見可能性を地形と積雪の2つに分け、「基礎的な知識があれば、現場が典型的な雪崩地形であることは容易に予見でき、その発生についても、注意信号の黄色が付いた状態であることは容易に予見できた」と証言。さらに、「積雪は記録されている30センチと考えるのが自然」と証言。
    報道 動画
  • 2023.4.5
    第4回公判
    検察側の証人尋問が行われた。
     検察側証人尋問 
    学校の安全教育の専門家で、事故検証委員会で委員長を務めた戸田芳雄氏が出廷。
    「教育活動現場では教諭が安全な環境を確保すべき」「雪崩が起きないと確信が持てる場所で訓練する慎重な判断をしなくてはならなかった」と証言。
    報道 動画
  • 2023.4.12
    第5回公判
    検察側の証人尋問が行われた。
     検察側証人尋問 
    事故現場近くの旅館経営者と山岳救助隊員が出廷。
    「当日の積雪は30~40センチあり、間違いなく大量に積もっていた」「雪崩の危険性が高かった」と証言。
    報道 動画
  • 2023.5.9
    第6回公判
    検察側の証人尋問が行われた。
     検察側証人尋問 
    名古屋大学名誉教授 日本雪氷学会会長で、事故検証委員会で副委員長を務めた西村浩一氏が出廷。
    気温や風速、降雪のデータからシミュレーションを実施し、事故当日の積雪状態や雪崩の状態を推定。また、防災科研のデータを使用して、1班の足跡が斜面のどこまで到達していたかを明確化しました。
    報道 動画

    遺族

    第3回公判から第6回公判まで立て続けにさまざまな専門家の方から証言を頂きました。
    これらの証言から那須雪崩事故はどの角度から切り取っても問題の多かったことが明確になりました。
    証言してくださった専門家の皆様、関係者の皆様に感謝いたします。

  • 2023.6.23
    第7回公判
    検察側の証人尋問が行われた。主に菅又被告の事故当日の行動について証言がなされた。
     検察側証人尋問 
    死亡した8人と同じ1班だった大田原高校山岳部の元生徒3人が出廷。
    訓練中は引率教諭の指示、許可を得ながら行動をしていた、雪崩が起きた斜面を登ることは訓練開始前に説明がなかったことなどを証言した。
    また、菅又被告から「山頂を目指してもよいのではないか」と話すのを聞いた、菅又被告が全体の決定権を持っていたと説明し、「雪崩の可能性を示唆されたり、前に進んではいけないと言われたりしたら止まっていた」と振り返った。
    報道 動画

  • 2023.7.21
    第8回公判
    検察側の証人尋問が行われた。主に渡辺被告の事故当日の行動について証言がなされた。
     検察側証人尋問 
    講習会で2班だった真岡高校山岳部の元生徒2人が出廷。
    「訓練開始前に訓練範囲や行ってはいけない場所、最終目的地の説明はなかった」と証言した。
    また、生徒の一人は、樹林帯上部で休憩した際、渡辺被告より「大田原高校に続くぞ」と、さらに上に登る指示があったと説明した。もう一方の生徒は「その後の指示はなく、まだ続く(登る)と思った」と証言した。
     被告側証人尋問
    検察側証人の真岡高校山岳部の元生徒2人を相互申請で尋問。
    訓練前に訓練範囲の指示があったか、樹林帯上部で休憩後に渡辺被告からの下山の指示があったかなどを確認したが、生徒らはいずれも「(そのような指示があったとの)記憶はない。」と証言した。
    報道 動画

    遺族

    第7回公判、第8回公判と当時の生徒であった方から証言を頂きました。証言台に立つにはかなりの勇気が必要だったかと思います。感謝いたします。
    立派な大人に成長された姿に息子を重ね合わせ、それだけで胸がいっぱいになりました。

  • 2023.7.31
    第9回公判
    検察側の証人尋問が行われた。講習会に参加していた教員2名が当日の行動について証言。
     検察側証人尋問 
    那須清峰高校と真岡女子高校の顧問2人が出廷し、訓練範囲の説明が不十分だったことを証言しました。真岡女子高校顧問は訓練開始前に訓練範囲や禁止エリアの説明がなかったとし、範囲は「スキー場で」とのみ説明され、樹林帯への進入についての事前説明はなかったと指摘した。また、3被告についての登山知識や経験は別格で、訓練内容の変更について意見することはなかったと述べた。
    報道 動画
  • 2023.9.5
    第10回公判
    検察側、被告側双方の申請のあった証人尋問が行われた。講習会の3班と4班の主講師を務めた教員2名が当日の行動について証言した。
     検察側証人尋問 
    3班の主講師を務めた教員は、菅又被告から「訓練範囲はゲレンデ周辺」と説明があったと証言し、樹林帯について説明がなかったため、「ゲレンデ内の訓練で樹林帯は含まないとの認識だった」「前の班が樹林帯が登っているのを見て驚いた」と述べた。
    4班の主講師を務めた教員は、講師打ち合わせの場では訓練場所がよくわからなかったため、打ち合わせ後に猪瀬被告に個別に質問したところ、「ゲレンデを進んでちょっと樹林帯を行けばよい」と言われたと証言。
    また、訓練場所の説明は講師に対してのみであり、生徒へは訓練場所や行ってはいけない箇所の説明はなかったこと、スマートフォンで事故当日までに那須町に雪崩注意報が出ていたことを確認していたことをそれぞれ証言。
    報道 動画
  • 2023.9.15
    第11回公判
    被告側証人として、事故当日に救助にあたった那須山岳救助隊副隊長(当時)が証言。
     被告側証人尋問
    事故当日の救助活動について証言。
    当日の積雪状態を、ゲレンデで「深いところでヒザまで来ない程度、浅いところでふくらはぎぐらいまで埋まる」と証言し、証言台での計測でそれぞれ「43cm」「29cm」と証言した。また、樹林帯では「斜面なのでヒザ下、ふくらはぎの真ん中程度、沢筋では深いところあった。笹がある場所では太ももぐらいまで埋まった。」と証言。
    救助現場は雪崩のデブリが堆積し、「3.5mの長さのゾンデ棒が全部刺さった」と証言した。
     検察側証人尋問
    リーダーの立場でやるべきことを問われ、「リーダーの立場であれば、事前に最低3日分ぐらいの天候や地形図見たり下見をすることで地形を確認する」と指摘。
    また「高校生の登山であれば安全第一で行うべきであった」と強調。ラッセル訓練をどこでやるべきだったかとの質問に、「私だったらゲレンデの中だけで実施した」と答えた。
    報道 動画

  • 2023.10.13
    第12回公判予定
    被告側証人として、国立登山研修所専門調査委員長が証言予定。
  • 2023.10.25
    第13回公判予定
    被告側証人として、国立登山研修所講師が証言予定。
    また、渡辺被告への被告人尋問も予定されている。
  • 2023.11.14
    第14回公判予定
    菅又被告への被告人尋問を予定。
  • 2023.11.22
    第15回公判予定
    猪瀬被告への被告人尋問を予定。

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