遺族は納得していません。 通知が守られず事故が発生したこと、それが問題視されていないこと、そこに対策がないまま再発防止策が作られること。

7年

那須雪崩事故から7年が経ちました。
この一年の間に民事裁判が判決を迎え(2023年6月28日)、刑事裁判も論告求刑を行って結審し(2024年2月29日)、判決を待つばかりとなりました(2024年5月30日予定)。
喪失感は変わりませんが、この事故の結末に向けて大きな進展があったと感じられる一年でした。

追悼式

事故から7年が経った今年も3月23日に追悼式が、息子たちが通った大田原高校で行われました。
これまでは事故の前日の3月26日に実施していました。しかし、今年は26日が平日だったため、遺族や関係者の都合を優先し、土曜日である23日に開催されました。私たち遺族は開催日の日付にこだわりを持っていたため、これまでは平日であっても26日に開催していました。しかし、今年はこだわりより都合を優先しました。私たち遺族がこだわりより都合を優先することに躊躇しなくなったのは裁判の進展から心境が変化したためだと感じました。

追悼式が行われた日は事故当日を思い出させるような寒い空でしたが、遺族代表の追悼の辞や、教育長と高体連会長の再発防止の誓いが述べられ、良い式となりました。

過去3回、追悼式は遺族と県教委・高体連との共催で行われてきましたが、遺族と県教委・高体連の間で民事訴訟の争いを抱えたままでの共催でした。今年は民事訴訟が解決した後であったので、穏やかな気持ちで追悼式の日を迎えることができました。

裁判の進展

昨年の追悼式からこの一年の間、2023年6月28日、民事裁判の判決があり、栃木県と栃木県高体連へ賠償命令が出されました。また、2024年2月29日、刑事裁判が結審し、検察より被告3教諭に求刑禁固4年が言い渡されました。あとは2024年5月30日に予定されている判決を待つだけです。

刑事裁判において被告3教諭は無罪を主張していますが、その主張がなんの根拠もないただの責任逃れの妄想であることはこの裁判をずっと傍聴していればご理解いただけることかと思います。

事故発生当初から私たち遺族は3教諭が起訴され、有罪となる前提で、この事故に対する再発防止策や処分を求めてきました。それに対し栃木県教育委員会や栃木県高校体育連盟は3教諭が不起訴に終わる前提でこの事故を処理し、いい加減な再発防止策で事故の収束を図ったように見受けられました。それだけではなく3教諭のウソの証言を鵜呑みにし、亡くなった子供たちや新任教諭に責任を転嫁したようにすら思えました。

事故後よりずっと県教委や高体連には何を言っても通じないと感じ続けていました。私たち遺族は教員による業務上過失致死傷罪という犯罪行為が行われた前提で話をしているのに県教委や高体連はそういった認識は持ち合わせていなかったのですから、意見が交わる訳がありません。この事故の民事裁判、刑事裁判を通じて事故当日の状況や被告3教諭の安全配慮義務違反が明確になり、責任の所在も明らかになったため、最近時になってようやく県教委や高体連の意識も変わってくれたように思えます。

この那須雪崩事故に対し、自然災害で教員が責任をとらされるのは間違っているとの主張を時折見受けます。しかし、そういった主張をされる方はこの事故の状況と全貌を正確に把握されていない方かと思います。この禁錮4年という求刑から那須雪崩事故では何が起きたのか、なぜこのような求刑に至ったのかを理解していただきたいと願います。

そして刑事裁判の判決が確定し、心穏やかに息子の冥福を祈る日が早く来ることを願っています。


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