高校の山岳部の活動は、学校管理下での活動としては特殊なものです。
山岳部の活動の安全性は顧問教員の力量に掛かっており、主な活動である登山は外部の目が届かない場所で実施されています。他の部活動ではこのようなことはなく、顧問教員が変わったからといって安全性が大きく変わることもなく、校内で実施され、保護者や他の教員の目の届くところで実施されています。
このような特殊性があるにも関わらず、山岳部の活動は那須雪崩事故が発生したその後でも変わらず続いています。栃木県でも「子どもたちを山から遠ざけてしまってはいけない」との言葉の下、継続するかどうかの議論もなく山岳部の活動が認められています。
このような「子供たちを山から遠ざけてしまってはいけない」といったきれいな言葉で山岳部の活動の特殊性から目を背け、議論なく山岳部の活動を認めるのはずっとおかしいと感じています。
まず、山岳部の活動の特殊性を認め、学校管理下の活動として山岳部の活動が相応しいかどうか議論すべきだと考えます。そして、今後も山岳部の活動を実施するつもりであれば、山岳部の活動の特殊性を可能な限り排除し、学校管理下での活動にふさわしいものとする努力をすべきだと考えます。
山岳部は必要なのか?
山岳部の特殊性を排除するためには、まず、「山岳部は高校の部活動として必要なのか?」ということを議論する必要があると考えます。この議論がないまま従来通りに山岳部の活動を認めてしまうと、山岳部の活動の特殊性に目が向くこともなく、今後も危険性をはらんだままとなり、再び同様の事故が発生してしまいます。
過去何度も高校山岳部で事故は発生し、犠牲者が出ました。しかし、その都度議論もなく山岳部の活動は認められ、何も変わりませんでした。
そして、事故は繰り返されてきました。
こんなことはもうおしまいにしなければいけません。
那須雪崩事故を教訓とし、安全対策をしっかりとしていただくことができれば、私は山岳部の活動を否定する考えは持っていないつもりです。しかし、山岳部の活動の特殊性を排除する努力もなされないまま、無条件で山岳部の活動が肯定されてしまうのであれば、高校の山岳部はすべて廃止すべきだと考えています。
山岳部の特殊性を排除し、活動を存続させるのか、学校管理下の活動として相応しくないものとして廃部にするのかは教育委員会や学校の意思と努力に掛かっています。
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