遺族は納得していません。 通知が守られず事故が発生したこと、それが問題視されていないこと、そこに対策がないまま再発防止策が作られること。

2017年3月27日に発生した那須雪崩事故の遺族・被害者の会のホームページです。

那須雪崩事故は死亡者8名、重軽傷者40名の学校管理下では最大級の事故でした。

那須雪崩事故について

国土地理院の傾斜量区分図に思う

遺族の思い

国土地理院の傾斜量区分図

国土地理院では那須雪崩事故を受けてホームページ上で雪崩の発生しやすい傾斜の斜面を色分けした地図を公開しています。大変わかりやすい地図で、私のような素人でもどの斜面の危険性が高いのか理解することができます。

雪崩は、一般的に一定の傾斜の斜面で発生しやすいことが知られています。
国土地理院は、平成29年那須町の雪崩を受けて、全国の傾斜量区分図(雪崩関連)を緊急に整備しました。
これからの春山シーズンの登山や雪崩災害防止などにご活用ください。
なお、傾斜量区分図は、地形を傾斜角で区分した図であり、雪崩の危険度そのものを評価したものではありません。緩斜面の箇所等でも雪崩が発生又は到達する可能性があり、十分な注意が必要です。

全国の傾斜量区分図(雪崩関連)は、以下の国土地理院のウェブ地図「地理院地図」で閲覧できます。
URL:http://maps.gsi.go.jp/

雪崩の発生しやすい斜面は、斜度30度以上で特に斜度35-45度が最も危険と言われています。その他、植生や斜面の向いている方角などいろいろな要因があるようです。国土地理院の傾斜量区分図は計算により機械的に斜度から危険性を評価したものとなっているものなので、雪崩の危険度そのものを評価したものではありません。

それでも登山前にこの地図をチェックすることによって地形から危険な斜面、安全と思われる斜面が明確にわかり、非常に役に立つものだと思います。

事故現場の斜面

この地図で確認すると、雪崩の発生した斜面は明らかに雪崩の発生しやすい斜面であることが確認できます。那須雪崩事故では「わざわざ」危険な斜面に入り込んで雪崩に遭遇しています。事故の詳細はまた別の機会にまとめたいと思います。

引率した教諭はなにを思ってこのような危険な斜面に入り込んだのでしょうか。
その思考をトレースすることができず、真実を知りたい私たち遺族の苛立ちが募ります。

「危険だと思わなかった」、引率した菅又教諭からの説明はその一言で済まされています。安全確認も実施せず、雪崩を危険と思うだけの知識がなかったとすれば危険を認識できなかったいう状況も理解すべきかもしれません。また、子供に何を言ってもしょうがないのと同じで、大人の思考ができない先生方にこれ以上なにを追及してもしょうがないかもしれません。
しかし、きっと「危険だと思わなかった」のではなく、「安全だ」と確信をもって斜面に足を踏み入れたのだと私は思っています。それが、消極的な「まあ、行けるだろう」ぐらいの判断だったとしても心の奥底には「安全だ」との確信があったはずです。

その確信は、きっと間違った知識や間違った経験に由来しているのだと思います。危険だといわれる斜面に足を踏み入れたが雪崩は発生しなかったとか、2010年に遭った雪崩事故のように雪崩に遭っても生還できたといった経験があり、そこから間違った判断をしたのではないでしょうか。
そこを明らかにしないことには、事故の真相には近づけないと思います。その確信がどこから得られ、何を思って斜面に足を踏み入れたのかわからないままでは反省も実効性のある再発防止策もないでしょう。

しかし、事故の正面から向き合わない先生方からそのようなことが語られることはないでしょう。
そうであったとしても、「何を思ってその斜面に入り込んだのか」、その真実を追い求めていこうと思います。

 


コメント

  1. YS11 より:

     HPが開設されたのを知り、投稿します。実はこの事故の1週間ほど前事故現場を左に見ながら、一般道を朝日岳目指して新人を連れ登っていました。この年は例年になく雪が多く、樹林帯の中はトレースも無く吹き溜まりでは腰までのラッセルでした。夏道は完全に隠れ、ルートファインディングとラッセルの良いトレーニングになりました。
     途中雪崩事故現場の斜面を見て、同行した新人に「あんな所には入りたくないね」と言ったた記憶があります。樹林帯を過ぎると強風で飛ばされ危険を感じ素直に撤退しました。尾根筋の一般ルートでも那須では考えられない位の積雪でした。ちなみに私は50年以上山と関わっており、現在登山ガイドをやっております。また地元の山岳会に属し仕事では登れない山に行っております。その中でいつも心掛けていて、皆さんにも「一番危ないのは危ないのが分からないことだ」と言っております。危ないことを感じるのは知識と経験に裏付けられた「感性」です。
     今回学校の教職員に登山研修をさせたのが間違いだと思います。多少の研修を
    受けた位でリーダーは務まりません。学校教育の一環として登山一般を行うにも問題があります。行うとすれば、オリンピック種目にも入る予定の登山競技に限定すべきです。プロでも遭難するのが山です。

  2. 山さん より:

    はじめまして
    当方山を歩きだして7年になります。雪のアルプスや八ヶ岳に行くようになり4シーズン目です。
    登山にもいろいろあります。
    ツアー会社の登山、山岳会の登山、学校の登山、個人でおこなう登山
    雪山登山とは、危険を予測し、自らルートを考え、最終的には気象予測をし、山行可能かを考えることだと思います。
    それがたとえ高校の山岳部だとしても同じこと、最終判断は個人の判断で行われるものではないかと思います。
    確かに今回の事故は学校行事での登山研修中での事故ですので、皆様のお気持ちの中には責任追及をしたい、厳しい処分を下してほしい。というお気持ちも親御さんとしてはもっともだと思いますが・・・
    そればかりに固執するとまさしく役人的思考で・・・危険なことは禁止、開催はしない、顧問にはならない、責任が自分にかからないようになるだけではないでしょうか?
    管理責任を問われるから立ち入り禁止にする。産婦人科医はあとで責任を問われるのが嫌なので、見たことが無い救急患者の受け入れを断る。JR西日本は安全確認だと言い、全く関係のない路線でも電車を止める。
    責任追及したから安全性が向上することは無く、ますます本来あるべき姿からかけ離れるだけではないかと思います。
    山には絶対安全はありません。道を歩いていても同じことです。でも、安全率をより高める事は出来ます。
    それは正しい知識と、危機管理と、経験の積み重ねによって得られることと考えます。
    人任せではだめなのです。
    それは高校生でも同じことです。高校生だから先生の指示に従う。それではダメなのです。
    自らが安全管理を行うのが山であり、雪山は特にリスク管理が大切です。

    国土地理院の傾斜量区分図を例に出し・・・
    この地域は危険だとの理論を展開されておりますが・・・
    国土地理院の傾斜量区分図をみてビックリしました。
    アルプスはほぼ赤色であり、最も危険な谷筋には色がありません。では色の無い谷筋を歩けば安全なのでしょうか?最も危険で絶対歩いてはいけないところです。

    今回の事故は痛ましい事故であり、開催者側も安全管理が十分でなかったと思います(報道だけでしか判断できませんが)
    主催者側の安全管理としては、雪面の事前調査、参加者全員のビーコンの着用と救助訓練、プローブとスコップの全員所持、雪面のビットを掘っての弱層テスト、監視員の配置はするべきだったと思いますね