遺族は納得していません。 通知が守られず事故が発生したこと、それが問題視されていないこと、そこに対策がないまま再発防止策が作られること。

世界に一つだけの花

人生最悪のあの日からもうすぐ1年を迎えようとしています。

 突然想像もしなかった息子の死に直面し、あの日から生活が一変しました。仏壇に飾ってある笑顔の遺影を見るたび、綺麗な那須岳を見るたび、息子が運ばれた病院を見るたび、救急車の音が聞こえるたび、息子を失った喪失感、悲しみ、怒りが繰り返されます。面影を探す毎日、息子への思いは更に色濃くなってきたように感じます。

 最近とある事を思い出しました。それは息子の死から1ヶ月ほど過ぎた去年の4月末、疲れ果てた私は何気なく息子の小学校卒業記念樹のしだれ桜を何気なく見ました。そこに花が咲いていることに気づきました。その花は植えてから初めて咲いた花だったので、私はしばらくその花を見つめ、涙が止まりませんでした。息子が元気のない私を心配して元気を出すようにと花をとおしてメッセージをくれたように思え、少し救われたような気がしました。

 以前、親戚の法事に親子で参列した時、お寺の住職の話の中でSMAPの曲“世界に一つだけの花”を作詞した槇原敬之さんが、この歌を書き上げた時のエピソードを息子は頷きながら真剣に聞いていました。息子は家族にとって、特別なオンリーワン、そしてナンバーワンの花でした。今も優しく元気だった息子を思い出すだけで涙があふれますが、今年息子はどんな花を咲かせ、そしてどんなメッセージをくれるのだろうか。


コメント

  1. ダリア より:

    兄弟や甥たちが大田原高校の卒業生です。
    那須岳を仰ぐとき、大田原高校の前を通るとき、そっと心の中で手を合わせます。
    事故から1年の今日、このサイトの存在を知りコメントさせていただきます。

    ご遺族の悲しみ、苦しみを思うと胸が張り裂けそうです。
    何もして差し上げることができないけれど、
    一生懸命、輝いて生きた8人の若人たちを
    私は忘れません。

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