遺族は納得していません。 通知が守られず事故が発生したこと、それが問題視されていないこと、そこに対策がないまま再発防止策が作られること。

2017年3月27日に発生した那須雪崩事故の遺族・被害者の会のホームページです。

那須雪崩事故は死亡者8名、重軽傷者40名の学校管理下では最大級の事故でした。

那須雪崩事故について

栃木県教育委員会は冬季の登山をどうしても実施したいようです

主張

 11月14日に県下の高校山岳部の登山計画を審査するための登山計画審査会が予定されています。
 その場で議題に上がる「登山計画作成のためのガイドライン(案)」が郵送され、遺族の元に前日の11月13日に届きました。

 その内容は、8名もの命を奪う凄惨な事故を引き起こしておきながら、冬季の登山をどうしても実施したいという栃木県教育委員会の強い意志を示すものでした。
 きっと、14日の登山計画審査会で冬季の登山実施が容認される運びになっているのでしょう。

 栃木県下の高校山岳部で冬季の登山を実施することに反対意見を伝えてきましたが、遺族の意見に耳を傾けるつもりはないようです。ガイドライン(案)は冬季の登山を実施することが前提となっています。

冬季の登山を実施する目的は?

 安全性を考慮すると、高校生が部活動で冬季に登山を実施する意義は小さく、もともと冬季に登山を実施すること自体に反対意見です。しかも、栃木県教育委員会は冬季に登山を実施する意義も満足に語ることもできませんでした。
 それにも関わらず栃木県教育委員会は「標高が低く」「積雪期にない」山であれば冬季の登山実施を認める、といった曖昧で抜け道を許容するような基準で冬季の登山を認める方針を打ち出してきました。こんな曖昧な基準を許容できるわけもなく、当然、意義を唱えてきました。

 それでもさらに栃木県教育委員会は「トレーニングのために学校付近の低山に日常的に登山している学校がある」「そういった山に限定して冬季の登山を許可したい」と言ってきました。それならば、登れる山域を限定してリスト化し、それ以外の山の登山は認めないとすればようやく検討するに値するとさらに意見いたしました。

 その意見を受けてか、今回送付された「登山計画作成のためのガイドライン(案)」には冬季の登山を許容する山域のリストが一緒に添付されてきました。
 なるほど、標高1,000m以下の低山に限って許可しようとしています。1,000m以下といった基準に何の意味があるのかわかりませんが、なにかしら基準を設けようとしている意図は感じることはできます。
 しかし、よく見るとそこには県外の山までリストアップされており、そもそも何のために冬季の登山を許可しようとしていたのか、意図がわからなくなりました。
 トレーニングのためであれば、学校付近の県内の山のみでいいはずです。トレーニングはただの口実で、どうしても冬季に山に登りたいだけなのではないでしょうか。

 このリストを突破口にし、さらになし崩し的に県外の山や標高の高い雪山にも今後登山しようしているそんな意図を感じます。

 那須雪崩事故は、標高の低い、安全性の比較的高かったであろうスキー場のゲレンデをわざわざ通り抜け、雪崩の危険性の高い斜面に入り込んで発生した事故です。
 規則や審査をかいくぐり、やらなくてもいい訓練を実施し、わざわざ危険な斜面に足を踏み入れて生徒・教師8名の命を奪ったのです。 

 何の制度設計もなく、守らなくても罰則もないガイドラインの中で「県外も含めた冬季の登山を許可する」と言われ、死んだ息子に何と報告すればよいのでしょうか。

 「低山ならいいだろう」と、安易に冬季の登山を再開し、県外の山にまで登ろうとするその姿勢から栃木県教育委員会の反省を感じることはできません。

栃木県教育委員会に訴えたい

 栃木県教育委員会に訴えたい。

 あなた方は8名もの命を奪った加害者です。自分たちを過信しないでいただきたい。
 安易で曖昧なルールを設定してそれだけで再発防止と言わないでください。
 自分たちや顧問教諭らは、制度設計もない中では決めたルールを守ることすらできないことを自覚していただきたい。
 自分たちを厳しく律していただきたい。

 もっとちゃんと考えて物事を決定して頂きたい。
 もっとしっかりと安全を考えてもらいたい。

 行動のひとつひとつに何の重みも議論のあとも感じることができません。

 死んだ息子に報告できるよう、しっかりとした行動をとってください。


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