遺族は納得していません。 通知が守られず事故が発生したこと、それが問題視されていないこと、そこに対策がないまま再発防止策が作られること。

2017年3月27日に発生した那須雪崩事故の遺族・被害者の会のホームページです。

那須雪崩事故は死亡者8名、重軽傷者40名の学校管理下では最大級の事故でした。

那須雪崩事故について

連絡協議会に替わる新組織に対する意見書を提出いたしました

要望

 連絡協議会に替わる再発防止策に意見するための組織の設置を求めていた件について、去る10月17日に栃木県教育委員会より回答がありました。

栃木県教育委員会からの回答(10月17日)
新組織 (案)について PDFファイル

 この新組織(案)に対し、栃木県知事と教育委員会に宛てて11月5日に那須雪崩生徒遺族・教師遺族弁護団より意見書を提出いたしました。

那須雪崩生徒遺族・教師遺族弁護団よりの意見書(11月5日)
新組織案に関する意見書 PDFファイル

 以下に提出した意見書の内容を記載します。

提出主旨

 新組織 (案)についてに関する、那須雪崩生徒遺族・教師遺族弁護団の意見は次の通りです。
 なお、単なる高等学校の登山活動状況の報告会ではなく、徹底した議論に基づく実効性のある高校生の登山に関する検討をすべきとの建前から、年間で可能な限りの開催回数(年6回以上)や、会議や会議録の公開を求めます。

1)名称について

趣旨

 「高校生の登山の安全確保に向けた取組検討委員会」となっているものを、「高校生の登山検討委員会」とすべきである。

理由

 案においては、「高校生の登山」について、継続を前提としたものになっており、遺族側の、登山(特に冬山登山)が高校生のクラブ部活動にとって本当に必要なのか、という根本的な疑問に答えていないものになっている(なお、遺族として山岳部を失くすべきであるという主張ではありません。)。昭和39年、平成22年、そして平成29年と、断続的に発生してきた栃木県の高校生の雪崩事故の教訓を踏まえて、今般、根本的に高校生の部活動としての登山のあり方にまで踏み込んだ議論を行うべきである。
 また、今回、教員も犠牲になっている点も踏まえ、働き方改革を踏まえた、教員の登山指導の必要性、および登山指導の業務担当能力の点等の再検討も必要であることから、それをも含んだ形での議論が可能な委員会名称とすべきと考える。

2)目的について

趣旨

 「高校生の登山活動の安全確保を図るため、『那須雪崩事故を教訓とした学校安全のための取組』(以下『取組』という。)の実施状況を検証するとともに、安全登山の実現に向けての取組内容の改善、その他必要な施策について検討する。」とあるものを、「那須雪崩事故を教訓とした学校安全のための取組を評価・検討する。」とする。

理由

 「高校生の登山活動の安全確保を図るため」という点については、高校生の登山活動の継続を前提としており、(1)と同様、その要否も含めて検討課題とすることが必要であることから、これを削除する。同様の理由で、「実施状況の検証」や、「安全登山の実現」なども削除する。

3)設置主体について

趣旨

 同意するものである。

4)構成委員について

趣旨

  • 学識経験者について(弁護士)…同意する。
  • 学識経験者(元検証委員会委員)、遺族2名…同意するものである。
  • 県山岳・スポーツクライミング連盟、公益社団法人日本山岳会栃木支部については、事実上、構成員が重なっていることもあり、どちらか一つにするべきである。
  • 宇都宮地方気象台、県民生活部(危機管理)、環境森林部…必要であるという趣旨を明確にしていただきたい。また、学校問題や登山に関する知見の有無などあるのか不明である。
  • 県高等学校体育連盟…雪崩事故を生じさせた者であり、本件の検討会への参加は不当である。この団体が危険性の判断能力を有していないことは明らかである。
  • 県高等学校PTA連合会…雪崩や登山などの専門的知見は皆無。保護者代表としての位置づけであれば、遺族2名で十分代替が可能。
  • 県高等学校長会…大田原高校校長を出席させるべきである。
  • その他、必要と思われる団体について
    ー県警
    ー学識経験者…学者(中澤篤史氏(早稲田大学スポーツ科学学術院准教授)、半田勝久氏(日本体育大学体育学部健康学科准教授)など、クラブ活動に関する専門的知見が必要であること。)

5)事務局について

趣旨

 同意するものである。

6)検討課題について

趣旨

 「高校生の登山活動実績、取組の実績報告、取組の検証・改善、その他必要な施策の検討等」を、「高校生の登山活動全般についての検討」とすべきである。

理由

 「登山活動実績」だけではどういうことか意味がよく分からない。また、「取組」(安全管理体制強化のための「取組」のことか?)の実績報告、ということであれば、現状維持に流れやすい。「取組の検証・改善」ということであれば、結局、高校生の登山(特に冬山登山)を維持継続することを前提とするものであって、高校生の登山自体の必要性を検討することが入れられていないことになる。また、「その他必要な施策の検討等」も、高校生の登山を前提とする施策であることが前提となっているので不当である。
 重要な検討課題としては、まずは栃木県における高校生の登山の実際上のニーズである。現状では、教員がこれを主導してきたものと思われるが、学校教育現場はあくまでも生徒主体に考えなければならず、子どもの最善の利益を考慮すれば、まずは生徒自身の考え方から考察するべきであり、アンケート調査などを実施すべきである。その上で、これが肯定されれば、そもそも生命に危険性のある登山を、高校教育の現場で高校生に行うべきか、また、行うべきだとして、高校生の登山指導業務に関する、業務遂行能力の有無を検討すべきであり、まずこれらをこの検討会の検討課題から外すことはできないはずである。今回事故を起こした高体連専門部自体には、高等学校の登山に関する業務遂行能力はないとする前提の上で、もし登山を行うとすれば、教員以外の外部専門家への依頼の可能性や予算の有無をまずは検討するべきである。
 なお、教員の登山能力の向上を図るべきとする、登山愛好者たる教員側の意見もあろうが、そもそも登山が教育の本質でもなく、教員の登山能力の向上は学校教育現場で行うものでもないので的外れな意見であることを付言する。

以上


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