遺族は納得していません。 通知が守られず事故が発生したこと、それが問題視されていないこと、そこに対策がないまま再発防止策が作られること。
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中止にすればよかったんだよ

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部活動は止まれない

主催者や顧問教員が真夏日のようにあまりに暑い日には活動を停止するような一般的な感覚や常識をもち合わせているのであれば、熱中症対策についての基準作りなど必要ないのかもしれません。あまりに暑ければ中断もしくは中止すればよいだけのことですから。

しかし、現状においてもそのようなことはなく、熱中症警戒アラートが出るような危険な日であっても平気で陸上大会が実施されています。

新型コロナウイルスのために春先から中止となってしまった大会も数多くあったため、少しぐらいの無理をしてでも大会を開催したい気持ちはわかります。しかし、熱中症警戒アラートが発令されており、トラック内の気温が38℃にも達している中、平気で陸上の大会を開催してしまうのは、一般的な感覚からすると常軌を逸しているように思えます。

そんな心配は素人考えで、「熱中症警戒アラートなんて気にしすぎです。アラートが出るような状況であっても、鍛え上げているアスリートなら平気なんですよ。」と言われるのかもしれません。実際、大会の要綱には次のような記載があります。

・競技者は概ね 1 ヶ月以上のトレーニングを積み、暑熱環境に馴化していること
・指導者・顧問は競技者の心身の状況をよく見極めて参加申込みをすること
・暑熱環境下での実施となることから、競技者の健康面や発達段階について競技会への参加に適しているか、十分配慮すること
・長距離種目については開始時間を17時以降とする

酷暑日であっても耐えられると宣言できるアスリートにのみ参加してもらい、長距離の種目については涼しくなるであろう時刻に開始時間を変更するように通達されています。素人である私が知らないだけで、鍛え上げられたアスリートであれば、熱中症警戒アラートが発令され、気温が38℃に達する過酷な条件でも熱中症になることはないと断言できる根拠があるのかもしれません。
しかし、それでも基準は必要であろうと思います。さすがに50℃になったら競技を中止するでしょうから、上限がなく基準を決める必要がないということはあり得ないと思います。

そんな基準など無くても、今まで大会で生徒が命を落とすような重大事故は発生していないと言われるかもしれません。
しかし、熱中症警戒アラートが発令されていても、気温が38℃に達したとしても大会は実施されるのだとしたなら、その環境でも実力を十分に出せるように、生徒たちは日ごろからその気温に近い状況で積極的に練習してしまうことでしょう。これでは練習中の熱中症の危険性が増大してしまいます。そしてそんなことのために普段の練習中に重大事故が起こってしまったとしても大会の主催者や関係者は我関せずを決め込むのではないでしょうか。原因が大会にあったとしても大会実施中に起きた事故ではないのですから。

コメント

  1. 大江隆夫 より:

    「中止にすればよかったんだよ」読ませていただきました。学生時代から山岳部で経験をしてきた一登山愛好家として一言コメントいたします。当日の異常な積雪で茶臼岳登山を中止し歩行訓練に切り替えたことは正常な判断だと思います。若い高校生にとってスキー場のゲレンデで新雪のラッセル訓練は得難い経験の場になったと思います。ファミリースキー場のゲレンデ内であれば若い高校生のエネルギーを思い切りラッセル訓練にそそぐいい機会でした。問題はラッセル訓練の場所の指定を明確にしなかったこと、何をどこでするか明確な指示を集団に出さなかったこと、だと思います。ずるずると斜面の上まであまり考えずに行ったことが致命的でした。登山、特に積雪期の登山は天候に大きく左右されるのは常識です。それにどのように対応するかでパーティーの力量が問われます。積雪があったから登山を中止という姿勢では登山の技術や経験のレベルは上がりません。その場の状況に応じて安全に訓練を続行できる経験、ノウハウ、判断力がリーダーには求められます。集団を引率した教師の皆さん、特に中心的存在であった2名の教師の方には残念ながらその判断力がなかったと言わざるをえません。

    • 御GU 父 より:

      コメントありがとうございます。

      >「当日の異常な積雪で茶臼岳登山を中止し歩行訓練に切り替えたことは正常な判断だと思います。」

      この訓練を登山行動として見て、この事故を山岳事故と捉えるならば、その通りだと言えるのでしょう。
      リーダーであった講師の力量が足りなかったことが問題であり、訓練を実施したこと自体には問題はなかったと言えるのでしょう。
      危険性は認識していたはずですが、なぜ行動範囲を決定せず曖昧にしたのか、なぜずるずると行動してしまい途中で止まることができなかったのか、なぜ講師は的確な指示は出せなかったのかといった点が問題であったとなります。
      登山経験者の方はこの切り口でこの事故を語られることが多いように感じます。
      那須雪崩事故検証委員会の報告書の結論もこの言い方に近く、再発防止策としてリーダーである教員の力量を高めることを求めています。

      また、別の切り口で、この訓練を講習会として認識した場合、異なった見方で語ることができます。
      決まった場所で実施すべき講習会だったのですから、安全確認もされていない場所で、予定にない訓練を思い付きで実施すべきではありませんでした。
      もしこのような雪中歩行訓練を実施するつもりだったのであれば、雪が降った場合に実施する訓練として事前に予定に組み込んでおくべきでした。
      そして事前に訓練場所として地形的に安全な場所を選定し、当日の積雪状態を確認するなど下見まで実施すべきだったはずです。
      比較的自由にルートや訓練場所を選定できたのですから、積雪があったとしても安全に訓練を実施できる場所を事前にいくらでも選定できたはずです。
      そのような事前の準備がなかったのであれば、雪中歩行訓練は実施すべきではなかったと言えるでしょう。

      また、この講習会は部活動としての側面もありました。
      引率の教員には事故防止に関する重い注意義務があり、学校の活動として危険な行動はすべきではなかったはずです。
      多量の降雪があった翌朝にリスクのある訓練は実施すべきではなかったと言えるでしょう。県教委からそのような通知も出ています。
      登山行動としての側面で捉えると危険だからと言ってなんでも中止にしてしまえば力量が上がらないという問題があるかもしれません。
      しかし、事故防止に関する重い注意義務があるはずの部活動でそのようなリスクをとることは問題があるでしょう。

      切り口によって見方も異なり、異なった意見がでます。
      いろいろな切り口で事故を検証し、再発防止の施策についてもいろいろな切り口で見るべきだと思います。
      しかし、那須雪崩事故の事故検証委員会や高校生の登山計画を審査する登山計画審査会ではこの事故や山岳部の活動を単なる登山事故・登山活動として捉えており、講習会としての側面や部活動としての側面を見落としていることが多くあるように思え、問題があると感じています。
      それは検証委員会や計画審査会が登山家や登山経験者が大勢を占めるような構成であるためと思われます。
      講習会として、部活動として、山岳部の活動を今後どうしていくべきかは議論が不足しているように思います。

      また、議論そのものが不足していると思われる点もあります。
      事故後、今後山岳部の活動で雪上活動を再開することを認めるか否か登山計画審査会で議論になりました。
      その議事録を読む限り、雪上活動を「できるかできないか」といった表面的な話だけがただ話し合われているように見えました。
      安全に雪上活動を実施するためになにが必要なのか、現状ではなにが不足しているのかという技術的なことは議論されていないようでした。
      そして、その結論は「現場の教員は雪上訓練にナーバスになっており、現状で(雪上活動を)認めることはできない」というお粗末なものでした。
      事故から時間もあまり経っておらず、引率する教員が嫌がっているからやらないそうです。これではただの精神論です。

      「登山活動として」、「講習会として」、「部活動として」など、本来なら雪上活動を再開するために必要な施策をいろいろな切り口で議論すべきでした。
      そして必要な施策を実施するためのロードマップを技術的に明らかにし、実現可能かどうか検証すべきでした。

      このような必要な議論もできず、精神論でしか物事を語れないのであれば、今後も栃木県の高校山岳部は雪上活動をすべきでないと私は感じています。

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