遺族は納得していません。 通知が守られず事故が発生したこと、それが問題視されていないこと、そこに対策がないまま再発防止策が作られること。

とちぎ教育ビジョン(2021▶2025)


栃木県教育委員会は2021~25年度を期間とする「とちぎ教育ビジョン」(栃木県教育振興基本計画(案))の素案をまとめ、公表しました。以下のページでその素案に対するパブリックコメントを募集しています。今後5年間の栃木県の教育行政の指針となる計画らしいです。

栃木県教育振興基本計画(案)に対するパブリックコメント(県民意見の募集)の実施について

栃木県では、「栃木県教育振興基本計画」の策定を進めています。これまでの検討状況を取りまとめた「栃木県教育振興基本計画(案)」を公表しますので、県民の皆さんの御意見をお寄せください。

現状と一体何が変わるのか?

示された素案では、基本目標の第一に「学びの場における安全を確保する」を掲げ、那須雪崩事故のような事故を起こしてはならないという決意がサラリと述べられています。

しかしその取り組みの内容は以下のように「学校安全に関する研修の充実に努めます」だとか、「校内研修の充実に努めます」などと書かれた内容のない、現場の教員に負担を押し付けるだけの代わり映えしないものです。

現状と一体何が変わると言うのでしょうか?

「充実に努めます」というのは、教育委員会の使う常套句で、実質的には何もしないというお役所言葉であることは今までの彼らの言動から身に染みてわかっています。

私は那須雪崩事故の再発防止策の協議を通じて
「教員の安全教育は重要だが、それだけで事故を防止することはできない」
「現場の教員に負担を押し付けるだけではなく、外部の専門家の手を借りてでも安全を確保すべきだ」
と主張してきました。

しかし、相変わらず教員を研修漬けにし、教員のみで安全を確保できると栃木県教育委員会は考えているように思えます。
また、私は「安全に対する基準を明確にし、それらを教員にしっかりと守らせる制度設計を策定すべきだ」とも主張してきたつもりです。その点については以下のような内容になっています。

記述の中には「学校安全計画及び危険等発生時対処容量(危機管理マニュアル)の見直しや改善を促し」とあります。しかし、何年も前から要望している熱中症に対する基準すらマニュアルに記述できない栃木県教育委員会に何ができるのでしょうか?また、基準を作ったとしてそれらをどのように教員に守らせるのでしょうか?那須雪崩事故発生時点でも安全に関する規則はあり、教員らはそれらの規則を守ることなく事故を引き起こしたのです。何も制度設計がないままであれば教員は再び規則を守らず何度でも事故を引き起こすことでしょう。

基準も制度設計もないまま、この点に関しても何も変えるつもりはないように思えます。
言葉も「促し」「強化します」「強化に努めます」とお役所言葉のオンパレードで、具体性はありません。一体那須雪崩事故から何を反省し、何を教訓としてくみ取ったのでしょうか?未だに事故を引き起こしたことを直視できていないのではないでしょうか?

結局何も変わらない

結局栃木県教育委員会は、学校の安全管理について今後も何も変えるつもりはないように思えます。

そもそも今回示された「とちぎ教育ビジョン」の冒頭に記述された基本理念には、学校の安全管理や那須雪崩事故について何も言及がありません。それにも関わらず、基本目標の最初に唐突に「学びの場の安全を確保する」と掲げられています。
栃木県教育委員会にとって那須雪崩事故は過去の汚点となるため触れたくもないが、言及しない訳にもいかないので、このように取ってつけたように目標として掲げているのでしょう。

基本理念に示された前向きなスローガンも結構なことですが、過去の過ちを直視しないことにはいつまでも同様の事故を繰り返すことになるでしょう。

本来なら那須雪崩事故のような痛ましい事故を2度と引き起こさないとの決意の下に安全対策を充実するという言葉に対して遺族として感謝の念を抱くべきことなのかもしれません。しかし、このような取ってつけた形式だけの施策に那須雪崩事故を持ち出して言及されるのは息子たちの死を冒とくし、遺族をバカにしているようにさえ感じ、そのような念を抱くことはできません。

何もする気がないのをお役所言葉でごまかすのではなく、学校の安全を根本から見直し、制度設計するような施策をお願いしたいものです。今回示された「とちぎ教育ビジョン」からはそのような理念や決意を感じることはできず、今後も何も変わらず同様の事故を繰り返す未来しか見ることしかできません。残念に思います。

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