遺族は納得していません。 通知が守られず事故が発生したこと、それが問題視されていないこと、そこに対策がないまま再発防止策が作られること。

ふるさと納税

 栃木県の教育委員会、学校、高体連といった組織は、未だに安全に対する緊張感と危機感に乏しいと感じています。那須雪崩事故のような大事故を発生させたにも関わらず、どこの組織も困っている様子もなく、表面的な対応に終始しています。

 なぜなんだろうと考えた結果、重大な事故を引き起こしても組織が解体されるような存続の危機や栃木県の税収が減るような事態に至らないことが危機感のなさの源泉だと思い至りました。
 どうにもなりませんが、自分の納税分だけでもふるさと納税で栃木県以外の都道府県にできるだけ寄付し、栃木県の税収を少しでも減らしたいと思います。

危機感

 今回のような重大な事故を引き起こしても、栃木県の組織はどこも困ってはいませんし、存続の危機など感じてはいません。
 栃木県教育委員会は存続の危機に直面していませんし、栃木県高校体育連盟が解体するという話にもなってはいません。唯一影響があったと思えるのは、今年の大田原高校の志願倍率が下がったぐらいでしょうか。これもどこまで関連があるかは明確ではなく、事故のせいだと考え反省している方などいないでしょう。

 これが民間の企業の場合だったとしたらどうだったでしょうか。
 商品の不具合によって事故が発生したり、リコール隠しや、法令違反を時々耳にしますが、そうなると大々的に報じられ、消費者からそっぽを向かれてしまいます。その結果、商品が売れなくなってしまい、売り上げが落ち、会社の存続が危うくなります。実際、そうなって倒産したり、買収されてしまった企業はたくさんあります。

 そうならないため、日頃から緊張感を持ち、社内で管理する側も厳しい目で商品に不具合はないか、法令順守されているかどうかを評価しているはずです。大規模な事故や不祥事などがあると、免職や降格などの処分が行われます。トップが引責辞任するのも普通のことです。消費者や株主の目があるので手は抜けません。

 一つの事故や不祥事が会社の存続を危うくしてしまうという危機感が事故や不祥事を防ぐ原動力となっているのではないでしょうか。
 これが普通の民間企業の感覚で、世の中で共有されている認識だと思います。

淘汰される仕組み

 突き詰めて考えると、事故や不祥事が発生すると売り上げが低下するという市場の仕組みが、企業の事故や不祥事に対する抑止力と危機感の源泉になっているのだと思います。民間の企業に問題がないとは言いません。しかし、本当に問題のある企業は市場から淘汰される仕組みがあり、それによって企業の健全性が担保されているのだと思います。

 一方、官の組織は、事故や不祥事の発生によって淘汰される仕組みはありません。安全に対する緊張感に乏しいのは、事故や不祥事によって税収が減ったり、組織が淘汰される仕組みがないからだと思います。自治体に不信感があっても納税は義務なのでそこに住む住民は納税を拒むこともできず、他の自治体に転居することも容易ではありません。事故の賠償も県の税収からすれば大した額ではなく、そのことによって緊張感が生まれる訳でもないでしょう。

 私は息子らを死に至らしめ、未だに危機感も緊張感も持つこともできない栃木県教育委員会や高体連、登山専門部といった組織は可能であるならば解体し、教育現場から淘汰されるべきだと考えています。しかし、現実にはこのような危機感のない組織であっても、官の組織には淘汰される仕組みはありません。これが彼らがいつまでも危機感を持たずに表面的な対応に終始する理由の根本だと思います。

ふるさと納税

 危機感の乏しさの理由がわかったところで現状どうしようもありません。ずっと彼らの態度と再発防止策を見守り、意見を言うくらいしか私たち遺族にできることはありません。

 それでもわずかでも自分だけで個人でできることはないかと考えました。

 少しでも栃木県の税収を減らすため、ふるさと納税で他の都道府県に寄付をすれば良いのではないかと考えました。住民税額の2割まで寄付ができ、寄付した金額分、居住地の住民税が控除されます。

 自分一人の納税額なんて大したことはなく、なんの抗議にもなりません。また、住民税のうち県に渡るのはおおよそ4割で、残り6割は市町村に渡ります。2割の限度額のうちのさらに4割なので、県への抗議の意味も薄くなります。それでも自分の払った税金から少しでも彼らに渡る額が減らせるとすれば少しは気が晴れます。ただの自己満足で何の意味もないことは理解しています。

 何度かふるさと納税をしたことはありますが、寄付した額は限度額のかなり手前だったので、今年はしっかりと計算して限度額いっぱいまで他の都道府県の自治体に寄付したいと思います。
 こんな無駄なことをせずとも懲罰的に問題を起こした自治体への交付金が減額されるとか、危機感を持たせるための仕組みが構築されることを願います。

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